古民家リノベーション
前回、秋の散策コースとして鎌倉の報国寺をご紹介した。
しっかり動き回ったらお腹も空くというもの。
名刹あるところに名店あり。
古都の街を歩き回った後は日本料理を堪能するとしよう。
今回ご紹介するのは、由比ヶ浜の住宅街にひっそりと佇む、古民家レストラン、松原庵。
築70年以上の古民家をリノベーションし蕎麦処として生まれ変わった一軒家レストランだ。隠れ家的な雰囲気が好印象で、その立派な面構えに、期待が高まる。
では早速、入店しよう。なんとも立派な日本家屋ではあるが、身を引き締めて緊張するような感じで入ることはなく、カジュアルに楽しめるレストランだ。田舎のおばあちゃんの家に遊びに行った感覚を思い出させてくれるような、温かみのある雰囲気だ。
店内には有名メーカーのスピーカーからJAZZが流れる。古民家でJAZZというと一見ミスマッチな感じがするが、意外とすんなり聴き入ることができる。なんとも贅沢でホッとできるひと時であろうか。
さて、ゆったりとしたひと時と共にお品書きを見てみよう。数あるメニューの中から、今回は、蕎麦出汁で炊き上げたふろふき大根、天ぷら盛り合わせ、せいろ蕎麦を注文した。
どんな料理が出てくるか楽しみだ。
まずは、蕎麦出汁で煮たてたふろふき大根が運ばれてくる。いまだかつてこの組み合わせはあまり食べたことがないが、大根に出汁がよく染み渡り風味豊かな味が楽しめ、絶品である。付け合わせの七味唐辛子も名脇役だ。
続いて天ぷらの盛り合わせ。この天ぷら、油っこさは全く感じられない。そして油の香りがよく、衣も非常にサクサクとしており、上品な味わいで驚いた。メニューによって塩と蕎麦つゆを使い分けて食べてほしいと思う。
そしてメインの蕎麦。蕎麦の実を一年以上寝かせた上で製粉するのが松原庵流だ。そのおかげで、通常のものよりも香りが高くなり風味を一層引き立たせるのだとか。少し細めの麺から繰り出される上品なのど越しと繊細な口当たりを天ぷらとともに吟味して欲しい。
店の雰囲気と料理の味、両方とも満足できる松原庵は、まさに名店である。
全体的に上品で口当たりの良い料理が多い印象なので、かしこまった席やご年配の方でも充分満足できると思う。
人気店のため、混雑必至ではあるが、食通を唸らせるだけの価値はあるので、ぜひ訪れてみてほしい。
予算:3000円前後(ディナー・ランチともに)
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