小さなマッチョマン
現代は実に様々な種類のクルマが販売されている。
そして、そのクルマの原動力となるエンジンはガソリンエンジンだけではなく、ディーゼルエンジン、ハイブリッド、はたまた電気自動車など、その種類は実に様々だ。
そこで新コーナーを立ち上げよう。
今回からクルマの気になる箇所を不定期ではあるが、じっくり解説していこうと思う。
解説とはいえ、専門用語やメカニック用語は多用しないので、気軽に読んでいただきたい。
記念すべき第1回目は、ガソリンエンジンの技術革新とも言える、『ダウンサイジングターボエンジン』について。
名前のとおり、エンジンの排気量を小さく(小型化)し、ターボなどの過給機(力強さを生み出す機械)を組み合わせることで、大排気量(大きな)エンジンと同等なパフォーマンスを実現したエンジンのことだ。
従来のターボエンジンは、ハイパワーを求められるスポーツカーやモータースポーツを中心に搭載されていた。
そのターボを装着することにより大きなパワーが得られる・・・ということは、エンジン本体を小型化できるのではないか?
開発者はそこに目をつけ、従来の大排気量エンジンからの脱却と、近年厳しくなっている環境(燃費)規制をクリアするため、小排気量+過給機という組み合わせのエンジンを開発した。まさに逆転の発想である。
身近なイメージとしては、シャワーの水量を変えずにノズル内で水圧を上げて、あたかも水量が増しているような効果が得られる、水圧増進用シャワーヘッドの感覚に近い。
では、技術革新によって誕生したダウンサイジングターボエンジンを実際に走らせた時のメリットとデメリットを比較してみよう。
まずは、走らせていて気になるであろう、デメリットの点から・・・。
【デメリット】
・ガソリンエンジンを基本に開発しているため、渋滞を繰り返す走行では思ったほど燃費が伸びない場合がある。
・ターボエンジンという特性ゆえ、燃料はハイオク指定の場合が多く、燃料代が高い。
・中央道や上信越道などの勾配の大きい高速道路を走る場合、高級車などに搭載されている従来の大排気量エンジンの方が、特性上により燃費とパワーの面で優れてしまう場合がある。
そして、うれしいメリットはコレだ。
【メリット】
・エンジン自体が小さくなるので、自動車税が安い。
・ディーゼル車やハイブリッド車に比べて部品を多く使わないので価格が安く抑えられる。
・エンジンを小さくすると、軽量化されてエンジンを動かす際の無駄が少なくなるので、燃費が向上する。
・こちらもターボエンジンという特性上、瞬発力があるため街中や高速道路で追い越しをしたりする場合の加速がスムーズ。
トータル的に使用していて効果を最も実感できるのは、渋滞のない一般道やバイパス、高速道路を一定で巡航して走る場合であろう。これなら、ちょっとしたドライブで使うにはオススメだ。
また、メリットの箇所にも記載したが、車両本体価格や税金が安いので、クルマにお金をかけたくない方にとっては非常に有力な選択肢となるはずだ。
ただし、ガソリンはハイオクになってしまうが・・・。
では、具体的にどのような車種に搭載されているのか?過去に紹介した車種の中からダウンサイジングターボ車の一例を見てみよう。
今回はダウンサイジングターボエンジンについて解説したが、あくまで自分の感覚を最も重要視していただきたい。
各々のメリット・デメリットをしっかり実感して理解した上で、自分のライフスタイルに合わせてクルマを選ぶことをオススメしたい。
もちろん、本稿が読者のクルマ選びの参考になれば最も幸いである。
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