L-finesse 次の世代へ・・・・。
日本の高級車はどこに向かうのか・・・・。
以前、日本でレクサスブランドが開業したと同時に発表された2代目・レクサスISについて記載した。
2代目は「The 日本の高級車」とも言うべき「ひかえめの美学」が反映されていたが、今回は大きくフルモデルチェンジを遂げた3代目ISを解剖してみようと思う。
このモデルが発表される前、レクサスではブランド戦略の大きなターニングポイントがあり、その動きを受けて大きく生まれ変わった。
フルモデルチェンジの進化の中身から、日本の高級車の向かう先を考えてみたい。
それでは、早速見ていく事にしよう。
2013年5月に公式発表となった3代目。
「AMAZING IN MOTION」という名のもとに、従来の控えめなクルマ造りから一転、デザインも走行性能もダイナミックに変貌を遂げるように舵を切ったことから、極めて個性的なデザインとなった。
ブランド個性を前面に押し出すために、CT〖CTの記事はこちら〗やLS〖LSの記事はこちら〗のように、レクサスの共通デザインアイコンである「スピンドルグリル」が与えられた。
またL字型のLEDクリアランスランプ(ポジショニングライト)がヘッドライトから独立し、リアもテールライトにL字型をイメージしたデザインを取り入れている。
今までのレクサスのイメージとは一線を画すデザイン。
好みは大きく分かれることにはなるが、プレミアムブランドには「ブランドアイデンティティ」が必要だ。
八方美人ではプレミアムブランドとして生き残っていけない。「極めて強い個性」が「熱烈なファン」を生み、ブランドを育てていくのである。
さて、お次はインテリア。
これは言わずもがなであろう。質感は相変わらず高く、静粛性も抜群である。
また、現行ではプラットフォーム(クルマを製造するにあたって基本となる骨組み)はワンランク上のGSをアレンジしたものとなっており、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が広くなったことで、リアシートの居住性が改善された。
さらに、トランクスルーの機能も追加され、実用性も大きく向上していることも見逃せない。
そして、今回のモデルはIS 250というグレードであり、心臓部のエンジンは前回ご紹介した先代と全く同じ2.5LのV6エンジンを搭載している。
エンジンの性能は先代と同じであるため、あえて長々と記述はしないが、基本設計が当時のままとなっているスペックは、もはや完全に一世代前になってしまった。
しかし、走りに関しては非常に大きく進化している。GSのプラットフォームをアレンジして使用しているため、随所に新技術が投入されたことでボディ剛性の向上と軽量化が両立しており、先代よりもハンドルの切れ味が格段に良くなった。走りを得意とするドイツ車までとはいかないが、ドライバーが愉しめるクルマになったのは嬉しい限りだ。
しかしながら、一つ気を付けておくべきポイントがある。それは標準で装備されるオーディオシステムについてだ。
SDカードやUSB接続経由で音楽を再生する場合、従来通りの圧倒的な質感の高い音響空間が構築されるが、AUXのアナログ入力だと、一転し、音楽に厚みがなくなり、音場も狭く空間表現がうまく表現できていないように感じる。思いのほかその差が大きく、AUX接続で聴くと大変ガッカリしてしまうので、ここは是非とも、SDカードやiPod等に音楽を入れて愉しんでほしい。もちろん、オーディオに強いこだわりがある方は「Mark Levinson」装着車をチョイスして頂きたい。
じっくりとコーヒー片手にゆったりクルマを味わうなら2代目、操る愉しさを味わうなら3代目、というドライブスタイルが合っているかもしれない。
また、本来であればレクサスISとしては初めて投入されたハイブリッドのIS 300hが気になるところであるが、今回は新旧のモデルで単純比較がしやすいよう、同じグレードで対比を行ってみた。
操る愉しさを手に入れた新世代レクサス。日本車の走りのレベルも欧州車に近いレベルまで達したことに喜びを感じながらドライブしよう。
まさに「AMAZING DRIVE」である。
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